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2007年05月26日

elePHANTMoon『業に向かって唾を吐く』

さて、王子小劇場にて、elePHANTMoonの公演「業に向かって唾を吐く」を見てまいりました。ちょうど2年ぐらい前に、こちらの公演を見たことがあるのですが、その時はなんかベタボメしていて、以来何となくまた見に行きたいなぁと思っていた劇団であります。

elePHANTMoon『夢を見る、まどろむために』

去年は王子小劇場のフェスティバルのようなものにも出ていたと思います。結局見には行けていないのですが、「やっぱりな」などと思っていたりしました。あれだけ面白かったんだから、こういう形で名前が売れていくのも自明であると思っていました。

本日、時間ができたので王子小劇場に当日券で見に行かせていただきました。久々の劇団、期待はあったのですが、その期待を見事に裏切る不作。観客を不快にさせつつ、何が語りたいのか全く分からないという始末。そういう不快の奥底から人間の感情を抉り出そうとしてくれるならいざ知らず、観客はただただ気持ちの悪い光景を見せ付けられるだけだ。

以前見たときに感じた作家・演出家、さらにはスタッフワークの感性を感じられたわけでもない。そういう部分があれば、それはそれできっと満足できるものになったのかも知れないが、今回の作品はいろいろな意味で低俗であったと言えるだろう。

ポツドールを中心に、あの辺りの方法論を模倣しようと試みたのではないかと思える面も多々あり、人間関係が泥沼に堕ちていき、そこから滲み出す人間の本質といったものを宗教をテーマにして描き出そうとしたのであろう。宗教の異様さに暴力、食と性などなど、人間の裏側にスポットを当てるテーマには恵まれているように思えるが、それらがどうしても細々としていて全体で1つの体を成そうとしない。それ故に物語も決して一貫した何かに支えられているという印象では無かったのである。最後に女子高生がその宗教の象徴としての立場に添えられようとするが、しかしながらその横で彼女が新薬の検体にされることにもなっており、どこに落ち着くのか分からずにいる。

でっち上げの宗教の聖地「里」が、現実になるというくだりには、ふむ面白くなるかもと期待できだし、そこから物語が大きく広がるかとも考えたのだが、結局はそれはそれで話は収束してしまい。結局小さなアパートの部屋から物語は飛び立てなかったのである。つまり、物語をそうするだけの力量が作家になかったのだろう。観客の想像を超えられないようでは、物語はきっと駄文でしかないと思う。

私が思うには、この劇団はもっとテクニカルなところで勝負すべき劇団であったし、そうするべきということが分かっているのであろうなと思っていた。でなければ、あれだけの作品を経験の少ない状態から生み出すのは困難であったと思うのだ(2年前の作品の話)。その部分が無くなったついでに役者やら物語やらが見るに足るものになっているなら、それはそれで進化だとは思えるけれど、何も無くなってしまったのでは今後に期待できないなぁ。

なんか残念な観劇になってしまいました。

私の前でおばちゃん(きっと役者の母親?)が「え~~!!やだ~」ってずぅっと言っていて、何か可哀想に思えてきてしまった。なんかそういう状況もマイナスに働いた気はします。

posted by yositosi at : 23:44

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