クロムモリブデン『マトリョーシカ地獄』
新宿のサンモールスタジオにて、クロムモリブデンの「マトリョーシカ地獄」を見てまいりました。クロムモリブデンの本公演はこれまで3回ぐらい見ているのかな?・・・とりあえず過去のエントリー。
クロムモリブデン『猿の惑星は地球』
クロムモリブデン『ボーグを脱げ!』
クロムモリブデン『ボウリング犬エクレアアイスコーヒー』
クロム好きの私としては、「ボウリング犬」以来のヒット作品となりました。「ボウリング犬」では、クロムモリブデンという面白そうな劇団を発見できた喜びで・・・それ以来見ている2作品は、正直最初の衝撃を越えるものではなくて、まあ面白いし、役者も素敵だし、舞台だって個性あるんだけど、まぁクロムモリブデンの枠だよねこれは・・・っていうどうも煮え切らないというか、クロムの内側にもう前に感じた部分を再度見せられているに過ぎないんじゃないかなという思いが、観劇後に残っていたのです。
それに比べると、今回はまた何かクロムモリブデンの新しい部分、というか試みのようなものを見るに至ったということで、それだけで私個人にとっては価値ある舞台作品となったのではと思いますね。
物語の中身は荒唐無稽で、しかもその荒唐無稽さにも秩序が見えないという荒荒唐唐無無稽稽な状態であったのです。ということで、あまりその中身を性格に語ることは止めるとして、物語の最後へと向かう場面が、やはり見応えのあるものであったので、そこを中心にちょっとだけ語りたい。
あのラストシーン(という訳で、関西の人はこの先読んでも良いけど、文句無しで・・・)は、東宝ゴジラシリーズのパロディーとなっていたのは、多くの人が気が付いた部分であろう。サウンドも、原型を崩してはいるもののあの重低音と高揚感はそのままに残されている。元ゴジラファンの私としては、何とも懐かしい気分にさせられたのである。
ああいうパロディーにクロムモリブデンが取り組んだのは、私が見た多くの作品を含めても初では無いかと思う。これまでエンディングは音楽に乗せて疾走するという定番スタイルがあったのだが、今回は人間がただ感情爆発で疾走するのではなくて、戦車が戦闘するという枠組みを用いて戦車を擬人化させているということで、東宝のパロディーであるだけでなく、クロムモリブデンのパロディーになっている点にも注目したい。
まぁパロディーというと、おいおい!と思うかもしれないが、形式を壊してみようとする試みとして見るならば、なるほどまだまだ何かやってくれる気はあるんだなと今後の観劇にも期待は膨らむ。
東宝のパロディー自体にはどんな意味があるのかは定かではないけれども、端的に面白かったと言えるし、戦車の作りこみや街の風景の作り方(椅子の上に並べることで、戦車がさも街を走行しているように見える)、などなど技術的にも見応えはあったし、相も変わらず役者・スタッフのクオリティーの高さに感服させられる。
いやはや、面白いものを見た。この喜びは、とりあえずクロムモリブデンのDVDは貸して他人と共有してみる。
posted by yositosi at : 22:17