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2005年03月22日

イキウメ『関数ドミノ』

イキウメの「関数ドミノ」を新宿はサンモールスタジオに観に行ってきました。

昨日の盗難アジアといい、本日のイキウメといい「チラシ」のレベルが高いように感じられます。

地方劇団と小劇場系劇団の新規開拓という目標を勝手に立てて公演を観に行っているのですが、これらの劇団は「入場券が割安」+「招待券を頂けることが多い」という事で、必然的にこれらのこのタイプの劇団を観る機会が多くなる訳ですが・・・。
そんな見知らぬ劇団の良し悪しを測るのに利用するのが、「チラシ」です。
私のバッグにはお気に入りチラシが束になって入っているのですが、これは「今後公演がある芝居の良い感じのチラシ」という曖昧な理由で取捨選択されたチラシ郡な訳ですが・・・。
大概、私の観劇候補はこのチラシ集から選ばれます。

ここに勝ち残ったチラシからHPが検索され、だいたいそのHPのクオリティーと過去の公演記録から次ぎ観に行く劇団がリストアップされます。

どうして私がこういう理論で劇団を選んでいるかというと、ラーメンが上手いかどうかは店を見れば分かる!という比喩にも例えられますが、良い芝居を作る、お客さんに観ていただく、そういう心意気はいろいろな部分に「形」となって現れると考えているからです。
それがスタッフの接客であったり、音響であったり、チラシやHPであると思っているからです。
外面ばかりこだわって中身が無くちゃ!っていう声も聞こえそうですが、そういう事を言うところに限って、つまらなかったりするものです。

ということから言うと、私はチラシのセンスでお芝居を観に行きます。
これで外れることは、2割いかないぐらいじゃないですかね?

話はずれてしまいましたが、関数ドミノに焦点を当てていきたいと思います。

物語は、ホラーのようなテイストで、「ドミノ」と呼ばれる現象がこの世の中を支配しているという設定を中心に話が展開します。
この「ドミノ」は、その力を持った人間の欲望がドミノ倒しのように徐々に進んでいって、最終的に叶ってしまうという現象を指しています。
徐々に進んでいくので、回りの人間も当人さえも気が付かない内にそれが起こるというのがこの現象のミソになります。
そして、このドミノという現象が世の中を支配しているという考え方に囚われている人のことを「ドミノ症候群」という精神病として扱われるという側面をもつ。

つまり、本当にそれがあるのかどうか分からない・・・この物語はその設定を踏襲して、ドミノ幻想を抱く男が、そのドミノではないかと疑った少年が本当にドミノなのかを証明する物語です。

私が物語の全体像を一言で語るとするならば、まさに「世にも奇妙な物語」ですね。
話としては在りがちなテーマですし、ドミノという設定は新しいのかもしれませんが、物語の素材や構成はSFやショートショートで使い古されたもの・・・言い換えれば必ず最後に「オチ」があるものです。
そして、そのオチのもっとも一般的なものは「語り手としての第三者に降り掛かる」というタイプで、多くの小説は大概、この語り手が最後に当事者に引き込まれるものなのです。

世にも奇妙な物語だってそうです・・・結局、物語の語り手のところに災難なり奇跡なりが起こるからこそ、語り手=視聴者に印象を転換できるわけですから。
そこが、見ている人にとっても面白い部分なわけです。

この物語も例にもれず・・・物語の中盤で私はオチが読めてしまいました。
つまり、このドミノ幻想にかられた男こそ、実のドミノの持ち主で、自分がドミノの被害にあっているという思いが、実は、自分のドミノの力で自分に被害に齎していたというものであります。
正直にいってしまうと、あの話の流れからするとそうなるだろうと感覚的に分かるものです・・・小説とかその手の作品を結構見ている所為か、語る部分と語らない部分から筆者がどういう風に物語を進めたいと思っているのかということが大体分かる。

物語をみていると、次はこうなるかな?っていうのを考える癖が付いていて、それを覆されたり、そういうのがまったく通用しない作品にであったりすると、「お~~!」って思いますよ。
その意味では、本作品は伝統をちゃんと踏襲した物語、別にそれが問題というわけではなくて、それはそれとして、十分に楽しめたし・・・ドミノ倒しに例えるのは面白かったなぁ。

世にも奇妙な物語とか、ホラーものの映画として使えそうなネタだと思います。
脚本も演劇向けというよりもテレビなどの映像向けかな・・・演劇であることの必要性を感じる部分は無かったと思う、少なくとも思い出せないし、SFであってミステリアスで隣にある恐怖というストーリーから考えても、映像編集による効果を用いた方が、数倍面白い作品になるという気がします。

やっぱ、ホラーものとかSFものは演劇は難しいですよね~しみじみ~。

一番良かった役者は七里ガ浜オールスターズの瀧川英次さんかなぁ・・・劇団メンバーではない人を挙げてしまってすいませんという感じですが、感情の発散のさせ方が上手い・・・スムーズにその辺を移行させているようすが見て取れました。
お顔もいいですしね・・・良い感じ!

他の役者は特に無しかな・・・不可な役者は一人もいなかったので、バランスおよび全体的なクオリティーは高し。

あとは、オリジナリティーですかね・・・笑いも無く、感動も無く、怖くも無く、かと言ってつまらなくも無い。
いいところに落ち着いてしまっている感があります・・・演劇であることの強みみたいなものが脚本からでてくるといいと思います。
共時性とか空間性といったところから、不思議な物語を書けないものでしょうか?

posted by yositosi at : 22:23

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» 関数ドミノを見に行ったよ from けんすーブログ
関数ドミノという舞台を見に行った。 劇団イキウメ:関数ドミノ 以下、若干のネタバ... [詳しくはこちら]

コメント

突然のコメント失礼します。辿り着いてしまいました。
七里ガ浜オールスターズの瀧川英次です。
初めまして。

かなり今更ですが関数ドミノ、ご来場ありがとうございました。
イキウメン達に代わりお礼と挨拶でございます。
今後もイキウメは新しい作品と新しい手法に挑戦していきそうなので是非、暖かい目で見守って下さい。
僕もたまに出たりするかもしれません。でも分かりません。

取り急ぎ、ご挨拶までに。
ジメジメとしたこの季節、楽しい感じの傘でも購入して楽しく乗り切っていきましょうじゃありませんか。

では、失礼致します。
ありがとうございました。

七里ガ浜オールスターズ・瀧川英次

わざわざコメント有難うございました。
瀧川英次さんは、大変印象に残っています。
七里ガ浜オールスターズ・・・今度見に行ってみたいと思います。

暑い日が続きますが、今後とも応援しております。

突然古い記事にトラックバックしてしまい
申し訳ない。とある小劇場ファンです。

『関数ドミノ』私も観ました。
ちなみに七里ガ浜オールスターズの
『はばかるな』も。

『関数ドミノ』は、イキウメの作品の中で、
完成度としては一番高かった気がします。
テーマの面白さは前回の『思慮深いモンス
ター』が群を抜いていたと思いますが。

仰るとおり、不可の役者がいないと言うだけで
小劇団公演としては優秀だと思うので、イキウメは多分今後も“観にいくリスト”に入っています。今後とも頑張って欲しいです。(ココに書く
ことではないかも知れませんが)

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