2007年07月31日
8月~の小劇場系注目公演スケジュール
病気療養のため7月は舞台1本も見れず。8月から再開させます。
書いてないレビューも何本か・・・思い出しつつちょっとだけ書こうと思います。
7月26日~8月6日
拙者ムニエル『ヤバ口さんちのツトム君』at 駅前劇場
http://www.sessya.com/
8月1日~5日
ハイリンド『幽霊はここにいる』at THEATER/TOPS
http://www.hylind.net/
8月3日~7日
劇団鹿殺しオルタナティブズ『魔人現る』at こまばアゴラ劇場
http://shika564.com/indexpc.html
8月3日~9月24日
シアターグリーン『シアターグリーン学生芸術祭』at シアターグリーン
http://green55.jp/saf.html
8月3日~9月30日
こまつ座&シス・カンパニー『ロマンス』at 世田谷パブリックシアター
http://www.komatsuza.co.jp/kouen_new/index.html
8月5日~12日
はえぎわ『バター』at ザ・スズナリ
http://www.haegiwa.net/
8月7日~12日
ベターポーヅ『4人の美容師見習い』at OFF・OFFシアター
http://www.betapo.com/
8月10日~12日
富士ロック『恋愛』at 王子小劇場
http://fuji69.no-blog.jp/
8月16日~21日
デス電所『輪廻は斬りつける(再)』at 駅前劇場
http://deathtic.727.net/
9月21日~30日
遊園地再生事業団『ニュータウン入り口』at シアタートラム
http://u-ench.com/
10月4日~21日
蜷川幸雄『オセロー』at 彩の国さいたま芸術劇場大ホール
http://shakespeare.eplus2.jp/
10月6日~21日
松尾スズキ演出『ミュージカルキャバレー』at パルコ劇場
http://www.parco-play.com/web/play/cabaret/
11月1日~30日
タニノクロウ(メジャーリーグ)『野鳩』at シアター1010
http://www.majorleague.co.jp/
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2007年05月28日
シベリア少女鉄道『永遠かもしれない』
シアターグリーンのBIG TREE THEATERにて、シベリア少女鉄道の「永遠かもしれない」を見てまいりました。やはりシベリア少女鉄道、なんだかんだ言って見ておいて損は無い劇団だなぁと、改めて感じられる傑作でありました。
シベリア少女鉄道『残酷な神が支配する』
シベリア少女鉄道『ここでキスして。』
シベリア少女鉄道『スラムダンク』
シベリア少女鉄道『笑顔の行方』
シベリア少女鉄道『アパートの窓割ります』
シベリア少女鉄道『VR』
シベリア少女鉄道『天までとどけ』
一時期は不作続きで、「シベリア少女は終わった」なんて言葉を掛けられていたとか、いないとか・・・なんていう事もありましたが、スラムダンク辺りで盛り返しつつ、あの頃の土屋亮一の日記で確か「なんか作り方が分かった」なんていう目覚めとも取れるような文章が掲載された記憶もあるのですが、それ以来は見る限りにおいて不作と呼ばれるようなものは無いように思えますね。
(まぁ、私はとりあえず不作だと思ったことは一度もないのですが・・・)
今回の作品は、ギミックの面白さというよりも、テーマに沿った幾つもの「切り口」の豊富さというものにしてやられるといった感じである。これらが、どれもまたあ~なるほどねぇ~と腕を組みつつ「うんうん」と唸ってしまいたくなるようなものばかりであるからすばらしい。
きっと、1つ1つを煮詰めればアトラクション的な作品になるのであろうし、こういう形で炒め物みたいにされるとそれはエレクトリカルパレードであったりする。そのどれもが、結局はシベリア少女鉄道というテーマパークの見世物であることには変わり無いのである。そして、私たち観客は彼らが、そのテーマパークを止めない限りにおいて、そこには夢の国があることを保障してくれるのである。
さて、今回の作品ですが、それはまさに「永遠かもしれない」と観客に思わせる展開のオンパレードである。数々のネタはここではバラしてはいきませんが、よくもまぁここまでネタを詰め込んだなと思えるし上手いなぁと思えるところも多々あるのだ。途中拍手が起こった所などは、やるなぁ~それをやるかぁと管を巻く展開だったりした。別にギミックとか爆発とかそういうのが今回の作品にあるわけではないが、ザワザワと攻め続けられる感覚に襲われる。
また、爆発というものではないが、最後の最後の映像には「やはりシベリア」と思わされる完成度である。まさかこんな映像にそれだけの力を注げるとは・・・これまで培ってきたシベリアの力量を見せ付けられた思いである。あのパロディーをここまでの完成度で仕上げるとは・・・。まぁあれが爆発と言えなくも無いか・・・。
あと、役者の怪演にも拍手を送りたいと思う。特に最近主役の座を奪い取った感のある前畑陽平・篠塚茜のコンビはすごいなぁ。最初のコンビ漫才もすごいと思ったが、そのテンションで2時間走り抜けるのは到底やろうと思うものではないだろう。シベリアの役者だからできること・・・。森口美香さんかな?可哀想な役どころ、彼女みてられない。
あと、ベタポの吉原朱美さん、やっぱり好きだなぁ・・・最近ベタポが無くて残念続きですが、久々に見られてうれしいぞ。楽しいなぁ、彼女・・・ずっと見ていたい。
そうかぁ、あのアニメはそりゃ永遠かと思えるよねぇ。声優を変え続けて放送し続ける根性、きっと私がおじいちゃんになってもやっているのかもしれないなぁ。・・・永遠かもしれない。
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2007年05月26日
elePHANTMoon『業に向かって唾を吐く』
さて、王子小劇場にて、elePHANTMoonの公演「業に向かって唾を吐く」を見てまいりました。ちょうど2年ぐらい前に、こちらの公演を見たことがあるのですが、その時はなんかベタボメしていて、以来何となくまた見に行きたいなぁと思っていた劇団であります。
去年は王子小劇場のフェスティバルのようなものにも出ていたと思います。結局見には行けていないのですが、「やっぱりな」などと思っていたりしました。あれだけ面白かったんだから、こういう形で名前が売れていくのも自明であると思っていました。
本日、時間ができたので王子小劇場に当日券で見に行かせていただきました。久々の劇団、期待はあったのですが、その期待を見事に裏切る不作。観客を不快にさせつつ、何が語りたいのか全く分からないという始末。そういう不快の奥底から人間の感情を抉り出そうとしてくれるならいざ知らず、観客はただただ気持ちの悪い光景を見せ付けられるだけだ。
以前見たときに感じた作家・演出家、さらにはスタッフワークの感性を感じられたわけでもない。そういう部分があれば、それはそれできっと満足できるものになったのかも知れないが、今回の作品はいろいろな意味で低俗であったと言えるだろう。
ポツドールを中心に、あの辺りの方法論を模倣しようと試みたのではないかと思える面も多々あり、人間関係が泥沼に堕ちていき、そこから滲み出す人間の本質といったものを宗教をテーマにして描き出そうとしたのであろう。宗教の異様さに暴力、食と性などなど、人間の裏側にスポットを当てるテーマには恵まれているように思えるが、それらがどうしても細々としていて全体で1つの体を成そうとしない。それ故に物語も決して一貫した何かに支えられているという印象では無かったのである。最後に女子高生がその宗教の象徴としての立場に添えられようとするが、しかしながらその横で彼女が新薬の検体にされることにもなっており、どこに落ち着くのか分からずにいる。
でっち上げの宗教の聖地「里」が、現実になるというくだりには、ふむ面白くなるかもと期待できだし、そこから物語が大きく広がるかとも考えたのだが、結局はそれはそれで話は収束してしまい。結局小さなアパートの部屋から物語は飛び立てなかったのである。つまり、物語をそうするだけの力量が作家になかったのだろう。観客の想像を超えられないようでは、物語はきっと駄文でしかないと思う。
私が思うには、この劇団はもっとテクニカルなところで勝負すべき劇団であったし、そうするべきということが分かっているのであろうなと思っていた。でなければ、あれだけの作品を経験の少ない状態から生み出すのは困難であったと思うのだ(2年前の作品の話)。その部分が無くなったついでに役者やら物語やらが見るに足るものになっているなら、それはそれで進化だとは思えるけれど、何も無くなってしまったのでは今後に期待できないなぁ。
なんか残念な観劇になってしまいました。
私の前でおばちゃん(きっと役者の母親?)が「え~~!!やだ~」ってずぅっと言っていて、何か可哀想に思えてきてしまった。なんかそういう状況もマイナスに働いた気はします。
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2007年05月01日
5月~の小劇場系注目公演スケジュール
4月19日~5月1日
クロムモリブデン『マトリョーシカ地獄』at サンモールスタジオ
http://crome.jp/
5月4日~6日
あひるなんちゃら『屋上のオフィス』at 王子小劇場
http://www.ahirunanchara.com/
5月10日~6月3日
NYLON100℃『犬は鎖につなぐべからず~岸田國士一幕劇コレクション ~』at 青山円形劇場
http://sillywalk.com/nylon/
5月15日~17日
劇団桟敷童子『軍鶏307』at 鈴木興産株式会社2号倉庫内特設劇場
http://www8.plala.or.jp/s-douji/
5月17日~21日
チャリT企画『アメリカをやっつける話』at 王子小劇場
http://www.chari-t.com/
5月17日~22日
シャトナー研『感じわる大陸』at THEATER/TOPS
http://www.shatner.jp/
5月23日~28月日
机上風景『幻戯』at タイニイアリス
http://kijoufuukei.org/
5月24日~6月3日
ハイバイ『おねがい放課後』at 駒場アゴラ劇場
http://hi-bye.hp.infoseek.co.jp/
5月25日~29日
elePHANTMoon『業に向かって唾を吐く』at 王子小劇場
http://www.elephant-moon.com/
5月25日~29日
zupa『サロ・ギュラ』at 楽園
http://zupa.blog51.fc2.com/
5月30日~6月3日
ギリギリエリンギ『1K~原宿と恵比寿の間~』at ギャラリールデコ5
http://giringi.web.fc2.com/
5月30日~6月3日
猫の会『しゃべる猫とだらしないひと』at 王子小劇場
http://www.neconokai.org/
5月30日~6月3日
少年社中リバイバル『スロウ』at 中野ザ・ポケット
http://www.shachu.com/special/slow_re/about.html
6月4日~24日
劇団、本谷有希子『ファイナルファンタジックスーパーノーフラット』at 吉祥寺シアター
http://www.motoyayukiko.com/
6月6日~18日
グリング『ヒトガタ』at THEATER/TOPS
http://www.gring.info/
6月9日~17日
ファントマ『楊貴妃の漢方薬』at シアターグリーン BIG TREE THEATER
http://www.fantoma.info/
6月9日~7月8日
ユニークポイント『もう花はいらない』at アトリエセンティオ
http://www.uniquepoint.org/
6月13日~17日
サンモールスタジオプロデュース『Nf3 Nf6』at サンモールスタジオ
http://www.paradoxconstant.com/labo/
6月19日~24日
ポかリン記憶舎『息・秘そめて』at こまばアゴラ劇場
http://www.pocarine.org/
6月20日~25日
あひるなんちゃら『毒と音楽』at 王子小劇場
http://www.ahirunanchara.com/
6月20日~25日
青年団若手自主企画『スネークさん』at アトリエ春風舎
http://www.seinendan.org/jpn/info/wakate070408.html
6月22日~7月29日
野田地図『THE BEE』at シアタートラム
http://www.nodamap.com/
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2007年04月30日
クロムモリブデン『マトリョーシカ地獄』
新宿のサンモールスタジオにて、クロムモリブデンの「マトリョーシカ地獄」を見てまいりました。クロムモリブデンの本公演はこれまで3回ぐらい見ているのかな?・・・とりあえず過去のエントリー。
クロムモリブデン『猿の惑星は地球』
クロムモリブデン『ボーグを脱げ!』
クロムモリブデン『ボウリング犬エクレアアイスコーヒー』
クロム好きの私としては、「ボウリング犬」以来のヒット作品となりました。「ボウリング犬」では、クロムモリブデンという面白そうな劇団を発見できた喜びで・・・それ以来見ている2作品は、正直最初の衝撃を越えるものではなくて、まあ面白いし、役者も素敵だし、舞台だって個性あるんだけど、まぁクロムモリブデンの枠だよねこれは・・・っていうどうも煮え切らないというか、クロムの内側にもう前に感じた部分を再度見せられているに過ぎないんじゃないかなという思いが、観劇後に残っていたのです。
それに比べると、今回はまた何かクロムモリブデンの新しい部分、というか試みのようなものを見るに至ったということで、それだけで私個人にとっては価値ある舞台作品となったのではと思いますね。
物語の中身は荒唐無稽で、しかもその荒唐無稽さにも秩序が見えないという荒荒唐唐無無稽稽な状態であったのです。ということで、あまりその中身を性格に語ることは止めるとして、物語の最後へと向かう場面が、やはり見応えのあるものであったので、そこを中心にちょっとだけ語りたい。
あのラストシーン(という訳で、関西の人はこの先読んでも良いけど、文句無しで・・・)は、東宝ゴジラシリーズのパロディーとなっていたのは、多くの人が気が付いた部分であろう。サウンドも、原型を崩してはいるもののあの重低音と高揚感はそのままに残されている。元ゴジラファンの私としては、何とも懐かしい気分にさせられたのである。
ああいうパロディーにクロムモリブデンが取り組んだのは、私が見た多くの作品を含めても初では無いかと思う。これまでエンディングは音楽に乗せて疾走するという定番スタイルがあったのだが、今回は人間がただ感情爆発で疾走するのではなくて、戦車が戦闘するという枠組みを用いて戦車を擬人化させているということで、東宝のパロディーであるだけでなく、クロムモリブデンのパロディーになっている点にも注目したい。
まぁパロディーというと、おいおい!と思うかもしれないが、形式を壊してみようとする試みとして見るならば、なるほどまだまだ何かやってくれる気はあるんだなと今後の観劇にも期待は膨らむ。
東宝のパロディー自体にはどんな意味があるのかは定かではないけれども、端的に面白かったと言えるし、戦車の作りこみや街の風景の作り方(椅子の上に並べることで、戦車がさも街を走行しているように見える)、などなど技術的にも見応えはあったし、相も変わらず役者・スタッフのクオリティーの高さに感服させられる。
いやはや、面白いものを見た。この喜びは、とりあえずクロムモリブデンのDVDは貸して他人と共有してみる。
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2007年04月25日
キャラメルボックス『まつさをな』
サンシャイン劇場にて、キャラメルボックスの公演「まつさをな」を見てまいりました。キャラメルボックスの公演を生で見るのは実は初めて・・・ビデオでちゃんと見たのも1回ぐらいかな。スカパーのシアターテレビジョンでは定期的に放送しているので、ビデオ録画はしていたりするのですが・・・。
今回の物語は時代劇、昔見たことがあるのはSFみたいな話だったので子供向けテイストでしたが、今回のはそういうことでいうと大人向けの物語だったと言えるんじゃないでしょうか?。男女の恋愛模様に仲間の裏切りなどなど・・・。勝手なイメージでキャラメルボックス=ファンタジーだと思っていただけに、ちょっと裏切られた?感じ。
「まつさをな」という言葉が、最初全然分かりませんでした。劇場の前説の中でそういう話が出たおかげでその意味が分かったんです・・・実は「真っ青な」っていう意味なんだとか、何で「を」なんですかね?「お」じゃないのかな。タイトルの意味が伝わらないというのは、興行的にはマイナスなんじゃないかと思うんですが・・・お客さんもGWってこともあってあんまり入ってないらしいですし。
気づかないのは私だけってことでしょうか?。
物語自体は、正統派コテコテ・・・これぞ時代劇って感じでしょうか?。なんか水戸黄門とかで見たことがある気がします。
死んだ娘にそっくりの女旅芸人、その子を養女として招き入れる家老、天心爛漫な娘にパッと明るくなる屋敷・・・そんな温和な状況に忍び寄る影、信頼を失墜させてしまい屋敷から追い出される娘。
結局最後には、まあハッピーエンドとなるわけですが、そんな定型的な起承転結の物語でした。
過不足無い物語の中で、やはり異質で際立っていたのが劇団新幹線の粟根まことさんと言えるでしょうね。やりたい放題な感はいなめませんが、それでも舞台に花を添えたのは主役の女優ではなく、間違いなく彼だったはずです。彼のお陰で、キャラメルボックスは楽しい時間になりましたね。
さて、次回公演はカレッジオブザウィンド、こっちのほうが実は見たかったりします。
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2007年04月09日
青年団国際演劇交流プロジェクト2007日仏合同公演 『別れの唄』
シアタートラムにて、青年団国際演劇交流プロジェクト2007日仏合同公演 『別れの唄』を見てまいりました。青年団の平田オリザが始めてフランス人演出家のために書き下ろしたフランス人の為の物語とのこと。
パンフレットに書いてある「どうしてこんなにもフランス人の言葉を描くことができたのか?」というフランス人の言葉が、どういったところに向けられているのかは、フランス人でない私には到底分からないのですが、日本の通夜の風景を通した日本人の滑稽さというところには日本人ながらクスクス・・・こういう文化的な差異を比較的に表現すると、そういうところが露骨になって日本人にも面白くあるし、どうようにフランス人にとっても「分かりやすい」作品となっていたのではないでしょうか?。平田オリザが日本人の為に書いた作品がフランスで上演されることとは明らかに違うものといえるでしょう。
作品のほぼ9割の部分は、「微笑み」というものが主軸にあってそれを観客は見せられていたように思いました。日本人・フランス人の葬式感とかそういう深い?意見なんてものはそんなところにはなくて、ある意味でコントと呼べるような、そういう微笑がすべてを貫いていました。だからこそ両国の人間が楽しめるものでありえたのではないでしょうか?。
こういう字幕演劇で、意味深なことをやられてしまうと、もう文字を追いかけるのに精一杯になって楽しめたためしのない私ですが、今回は振る舞いを見ているだけでも、日本人というフィルターを使えるだけに何となく伝わってくるものがあって、字幕が苦痛にならなかったのも良かったかも。
最後の最後で、幼いときに親を失った子供に対して如何にして接するかという点に物語は収束していきます。大変詩的で、美しく、悲壮な「別れの唄」を読み上げるシーンでは、人間の死と死に向き合うという人間の共通する部分において、舞台上で二つの国の人間が通じあうという風景を見るに至りました。唄の良さも相まって、そのシーンは大変感動的で、物語の上手さを見る瞬間でした。(作家の名前忘れた)
ここの一点において、フランスにおいても評価されうる文学的作品に引き上げた感があります。(フランスの演劇感は知らないけれど・・・)
最後に1つ、舞台には畳張りの大広間を囲むように鏡が(マジックミラー)配置されています。鏡の向こうには、フランスがありました。2つの国の観客が1つの舞台に対して向き合っている。そういう舞台でした。
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2007年04月01日
4月~の小劇場系注目公演スケジュール
3月28日~4月3日
メタリック農家『癖』at 中野MOMO
http://www.metanou.com/
3月30日~4月1日
ニットキャップシアター『お彼岸の魚』at 下北沢 駅前劇場
http://knitcap.jp/
4月4日~9日
青年団リンク・うさぎ庵『チチキトク サクラサク』at アトリエ春風舎
http://usagi-an.com/
4月4日~11日
風琴工房『紅の舞う丘』at 下北沢ザ・スズナリ
http://windyharp.org/
4月5日~8日
SKグループ『桜襲』at シアターグリーン BIG THREE THEATRE
http://www1.plala.or.jp/skg/
4月5日~8日
青年団国際演劇交流プロジェクト2007日仏合同公演 『別れの唄』at シアタートラム
http://www.seinendan.org/jpn/info/info070211.html
4月5日~15日
乞局『媚励』at こまばアゴラ劇場
http://kotubone.hp.infoseek.co.jp/
4月12日~16日
演劇キック『天国と地獄』at 新宿シアターアプル
http://www.enbu.co.jp/kick/
4月13日~15日
鉄割アルバトロスケット『馬とマウスの阿房トラベル』at ザ・スズナリ
http://www.tetsuwari.com/webapp/top/index.html
4月18日~30日
モダンスイマーズ『回転する夜』at THEATER/TOPS
http://www.modernswimmers.com/
4月18日~29日
猫のホテル『苦労人』at シアタートラム
http://www.nekohote.com/
4月19日~5月1日
クロムモリブデン『マトリョーシカ地獄』at サンモールスタジオ
http://crome.jp/
5月10日~6月3日
NYLON100℃『犬は鎖につなぐべからず~岸田國士一幕劇コレクション ~』at 青山円形劇場
http://sillywalk.com/nylon/
5月15日~5月17日
劇団桟敷童子『軍鶏307』at 鈴木興産株式会社2号倉庫内特設劇場
http://www8.plala.or.jp/s-douji/
5月25日~5月29日
elePHANTMoon『業に向かって唾を吐く』at 王子小劇場
http://www.elephant-moon.com/
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2007年03月18日
KUDAN Project『美藝公』
スズナリにて、KUDAN Projectの最終章?「美藝公」を見てまいりました。本作品の原作は筒井康隆ということ、決して読んだことはありません。そして結局読まずに演劇は観ますし、見終わった後に読むわけでもないのですが・・・。
はたして一体どういう作品なのだろう?タイトルを見ただけでは全くもって意味が分かりません。どうやら、話を聞いていくととっても品格があって人気のある役者に与えられる称号?のようなものみたいです。トコロは映画産業立国日本、映画が市場を動かし人々を豊かにしている世界です。
ところが、この作品を原作にしつつもそこは天野天街、物語は映画市場が蔓延る中にあって演劇をしなくてはならなくなった作家がテーマです。演劇とは如何なるものか、そういう「演劇が演劇を問う」という構造を有しており、登場人物は劇場中に舞台を見出し、観客を見つめたりします。
例えば最初のシーン、真っ暗闇の中で2人が「暗いよ~暗いよ~」と言葉を吐いています。しりあがり寿の真夜中の弥次さん喜多さんでも、こんな雰囲気のシーンは多々あったりして、そんな単純さであのシーンを解釈してしまいそうになりますが、あれは当に暗転から物語が生み出されていく・・・その一番最初の演劇の感情を言い表したシーンと言えるのではないでしょうか?。
そして物語は、よく分からないテーマを抱えつつ、天野天街お得意のギミック構造な舞台を縦横無人に役者は動いていくし、映像を駆使して演劇の中に多層構造を付与していきます。
私は今回の作品で、ふと頭を過ぎったものがありました。「ニューシネマパラダイス」です。決して演劇的な内容が近しいとか、物語がどうのこうのというわけではなくて、映画市場に支えられた世界がそこにあるという背景やら、その中で映画とはどういう存在であったのかということに関して、当時の映像をフラッシュさせていく場面が多く在りました。この表現自体はニューシネマパラダイスのラストを思い浮かべます。全体を見てみると、両者対極にあるような内容の作品同士ではありますが、それぞれの断面を切ってみると、その面は見ようによっては何となく近しいかもしれない・・・そんな程度の感覚ですが、私は劇中にふとそういう映画のワンシーンが思い浮かんできたりしたのです。
さて、話はそれました・・・とはいえ、それ以上に語る言葉を持たないのですが・・・最後に何かを述べておくとすれば、原作が市場経済主義VS映画主義という対比で書かれている(らしい)のに対して、その構造をシフトさせて、映画主義VS演劇主義という構造を天野天街が、自身が行っている表現行為に基づいて解き明かしている作品といえるでしょう。この作品をみて、誰も映画っていいななんて思わないでしょうから、結局演劇主義を全うする人が描いた演劇主義を礼賛する自己満足的作品、これが楽しめる人がいれば、それはやっぱり演劇主義人だったりするんだろうと思う。
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2007年03月11日
千年王國『スワチャントッド』
下北沢「劇」小劇場にて、千年王國の「スワチャントッド」を見てまいりました。千年王國の東京本公演は今回で2回めのはず。途中、若手演出家コンクールで主催の橋口幸絵さんが東京で作品を発表していますが、しっかりとした作品としては2作品目だと思います。
前回見た作品は、東京国際映画祭のリージョナルシアターシリーズに参加したSLという作品でした。私はこの作品が大のお気に入りで、結局こういった傑作を提供してくれる劇団が北海道という離れた場所にいることを悔やんだ日々が幾日もあったのです。
http://www.gekinchu.com/critic/2005/03/post_274.html
そういう思い出深い作品を提供してくれた劇団だけに、今回の新作東京上演は待ちに待っていたという風で、大変感慨深いものであった。それだけに、期待は強く、不満も残るということになってしまったわけであるが・・・。
前回の作品がSLという機関車を擬人化して、東京芸術劇場の小ホールという大変間口が広くて使いづらい劇場をめいっぱいに使って、壮大で重厚な物語を劇場に表現することに成功していた。物語の着眼点もさることながら演出家としての見せ方に尽くヤラレテしまったという印象であった。
さて、今回はというと、うって変わって 下北沢「劇」小劇場である。大変小さな劇場である。そうなると当然の事ながら全体的にこじんまりとした物語になってしまうのであった。前回の壮大さを求めていた身からすると、やはり残念と思ってしまう部分がある・・・もしかするとこれぐらいがいつもの彼らであって、リージョナルシアターの際の彼らは、背伸びだったのかもしれない。とはいえ、それを差し引いても、傑作とは言えない作品であった。物語の構成も少々難解(伝わらない)であったし、エピソードや登場人物に関しても必要・不必要があからさまでバランスの悪さを感じさせた。そぎ落とす作業があればもっとスマートな作品になったのではないかと思うのだ。
父親殺しや近親相姦的なエピソードは、観客の感性にダイレクトに飛び込んでくる感覚ではないと思うので、置き去りの感もある。物語の質はSLに遠く及ばないものであった。
とはいえ、良作である。役者も皆達者である。そして何よりも、奏でられる音楽が心地よい・・・あれだけのリズムを生み出して演劇の中に組み込み、更には役者陣に演じさせるのであるから、並みの思い入れではあそこまでの作品とはなりえないだろう。作家の思想を崇拝して、そこに着いていこうとする役者・スタッフの横顔が想像できるようだ・・・そして、その要望に答えていこうとする作家の注力具合というのもまた、作品からにじみ出てくる。
そういう全体的に良質の作品であるからこそ、全体を少し俯瞰してみる方が、クオリティーが逆に伝わり易いかも知れない。近づいてみると、意外に人間味に溢れてしまったりして、質の良さよりも人間臭さがでてしまうような・・・今回の作品でも広い空間にポツンとモールス信号の機械があれば、それだけで質を感じられたであろう。
今後も見て行きたい劇団である・・・SLを超える傑作を期待して。
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